819 ゲーム脳?

 先日、地下鉄の中吊り広告で「ゲーム脳」という言葉を見た。
 はぁ…ゲームをやりすぎるとそういう脳になってしまうんだろうな…程度に思っていたところ、今朝通勤途中で読んだ本読んだ本*1によると、これがまたかなりいい加減な仮説らしい。鵜呑みにしてしまいそうになった自分が恥ずかしくなった。

 とかくインターネットや携帯電話が関わる事件が起きると、すぐにその原因をそれらに求めてしまいがちだ。最近の例で言えば、佐世保の小学六年生の女児が同級生を殺害した試験は記憶に新しいが、振り返って考えてみると、事件の原因の一端として、小学生がチャットにはまっていることばかりクローズアップされ、なぜ同級生を殺すという衝動に駆られたのかという事件の根本原因まで追求されなかったように思う。

 ごく普通の小学生が「チャットによって変わってしまった」かのような決めつけ型の意見…こうした意見は結局、問題の本質の追求を止めてしまうことにつながりかねない。子供たちの起こす事件の原因を理解できない大人たちが、なんとか楽になりたいがための発想…のように思える。

 だとしたら「ゲームをやりすぎるとゲーム脳になってしまう」というような、人々が飛びつきやすい安易な仮説を発表してしまう人たちの罪は重いと言わざるを得ない。問題のあるといわれながらも、つい最近の週刊誌でも取り上げられてしまうのだから、こうした仮説は人々にとって(取り上げる雑誌にとっても)相当魅力的な存在なのかもしれない。それはまるで幻覚を起こさせる麻薬のにように。